📌 結論(30秒で読める)
30代未経験から3年で年収600万円に届くパスは大きく2つ。Web系受託で軸足を作って自社に転じる型と、SES経由でSIer中堅に潜り込む型です。私は入社1年で+150万円・週4リモートまで到達済み。最短コースはなく、どこに時間を投じるかの設計問題。厚労省「賃金構造基本統計調査」もキャリア設計の前提値として参照可能です。
30代未経験でエンジニアに転職した直後、私の年収は400万円台前半だった。前職の営業時代から手取りで18万のラインを大きく超えるところには来ていたが、「ここから600万に届くのか」「届くまで何年かかるのか」は、入社1年目の自分には全く見えなかった。
入社1年で+150万円、週4日リモートになったが、「年収600万」のラインまでは、その先にもう1〜2段の積み上げが必要だ、というのが今の実感だ。
この記事では、私の周囲の30代未経験エンジニアが3年前後で年収600万に届いていった2つのパスを、できるだけ正直に書く。「3年で600万」は届く範囲だが、最短コースはない。どこに時間を投じるかの設計の話だ。
※ 本記事の年収レンジは、関東圏のWeb系企業(受託・自社・SES)の一般的な水準を参考にしている。会社規模・地域・業界によって幅があるため、参考値として読んでほしい。
あわせて読みたい:30代未経験IT転職の現実
30代未経験エンジニアの初年度年収レンジ(実勢)
まず、ベースラインから整理する。
私の周囲で観察した30代未経験エンジニアの初年度(入社時)年収は、こうだ。
- SES(受託の派遣形態):320〜400万円
- 受託開発企業(中小〜中堅):350〜450万円
- 自社開発企業(中堅〜大手):380〜500万円
- 大手SIerの第二新卒枠:380〜480万円
私自身は受託開発中心のWeb系企業に未経験で入社した。入社時はこのレンジの中央付近からのスタートだった。
「未経験で500万」を狙うのは、30代でも条件が整えば届くが、相当数の応募とポートフォリオの作り込みが必要だ。逆に「未経験で350万なら無理ではないが、3年後の上限が低い会社を引き当てるリスクがある」のが現場の感覚だ。
参考までに、厚生労働省「賃金構造基本統計調査」を見ると、情報処理・通信技術者の年代別の平均賃金は、30代・40代と段階的に上がっていく構造になっている(最新公表分・2026年5月閲覧)。「3年で600万」というラインも、未経験スタートからこの賃金構造の中央値に向かって乗っていく過程として見ると、「最短コースはないが、届かなくはない」という感覚と整合する。
ここから「3年で600万」に届くパスを2つに整理する。
あわせて読みたい:1年目の壁の越え方
パス1:受託開発で「設計・要件定義」まで広げる道(私が選んだ道)
全体ロードマップ
[入社時] 受託開発 / 未経験エンジニア / 400万円台前半
↓
[1年目] PR数本/月、レビュー指摘パターンの蓄積、本番リリースに関わる
↓ 年収+50〜150万円
[2年目] 小〜中規模機能の設計を任される、他チームとの調整経験
↓ 年収+50〜100万円
[3年目] 要件定義・顧客折衝の上流工程、後輩のレビューを担当
↓ 年収600万円ラインへ
何を積むか(職務経歴書ベース)
- 1年目:実装スキルとレビュー文化への適応
- 2年目:設計判断と他職種連携
- 3年目:要件定義・顧客折衝・後輩育成
営業出身者に向いている理由
このパスは、私のように営業や法人折衝の前職経験がある人に特に向いている。要件定義・顧客折衝の上流工程は、技術スキル7割・対人スキル3割で評価される領域で、営業時代の「ヒアリング → 提案 → 関係構築」の筋がそのまま使える。
私の場合、入社1年目の終わりに、クライアントとの定例MTGに同席する役を任された。前職で法人ヒアリングをしていた経験が、未経験の中で唯一の「掛け算の武器」だった。これが2年目以降の評価に効いた、と思っている。
落とし穴
このパスの注意点は、「受託開発の中で実装力の伸びが鈍化するリスク」だ。要件定義・顧客折衝に時間を取られて、新しい技術に触れる時間が減る。
対策は、業務外でも年に1回くらい、新しい言語・新しいフレームワークに触れておくこと。これは年収を上げるためではなく、3年後・5年後に転職市場で見られる時の「学習継続性」のシグナルとして効く。
あわせて読みたい:ポートフォリオ実例
パス2:自社開発に転職して「専門技術」を深める道(同期Bさんの道)
全体ロードマップ
[入社時] 受託開発 / 未経験エンジニア / 400万円台前半
↓
[1〜1.5年目] 受託開発の現場で実装スキルの土台を作る
↓
[1.5〜2年目] 自社開発企業に転職/年収+50〜100万円
↓
[2〜3年目] 特定技術(フロントエンド/インフラ/データ等)を深掘り
↓ 年収+50〜100万円
[3年目末] 特定技術のスペシャリスト枠で年収600万円ライン
何を積むか
- 1〜1.5年目:受託開発で「動くものを作る」基礎力
- 転職時:1〜1.5年の実務経験を盾にして、自社開発に挑戦
- 2〜3年目:1つの技術領域(モダンフロント/クラウドインフラ/データ基盤など)を深掘り
このパスを選ぶ条件
私の同期Bさんは、入社1年4ヶ月でこのパスに切り替えた。受託開発で実装スキルの土台を作った後、自社開発企業に転職して、フロントエンドの技術深掘りに振った。
このパスが向くのは、こんな人だ。
- 上流工程よりも、特定技術の深掘りで評価されたい
- 受託開発の「顧客都合の仕様変更」が体質的に合わない
- 業務外で学習し続ける生活スタイルを継続できる
逆に、対人折衝に強みがある人がこのパスを選ぶと、3年目で「技術深掘りでは中堅以上の人に勝てない」と気づいて、もう一度キャリア棚卸しが必要になることがある。
転職タイミング
未経験エンジニアの「2社目転職」のベストタイミングは、入社1年〜1年半が中央値だ。
- 1年未満で動くと、早期離職フラグが立つ
- 2年以上待つと、未経験ハンデが残ったまま市場価値が頭打ちになる
Bさんは入社1年4ヶ月で動いた。エージェントから「1年半までに動くのが市場価値と早期離職の境界線」と言われたそうで、これは私が周囲を観察してきた肌感とも一致する。
2つのパスに共通する「年収を上げる動き」
パスがどちらでも、年収を上げる動きには共通点がある。
共通点1:半年に1回、エージェントに近況連絡を入れる
転職する/しないに関わらず、半年に1回エージェントに近況を伝えて、市場価値の温度を聞く。これは「いつでも動ける状態」を維持するための最小コストの保険だ。
私自身、 と 、 の担当に、年1〜2回近況を共有している。
「最低◯◯万」を伝えただけで、エージェントが持ってくる求人の年収レンジが20万円単位で上がる、ということも実際に経験した。
共通点2:年収交渉のタイミングを設計する
- 入社1年の評価面談で「次の評価で年収+◯万を狙いたい」と上司に共有する
- 転職する場合は、内定後の「最低希望年収」を必ず伝える
- 「現職年収+20〜50万」が、未経験2〜3年目の現実的な交渉幅
「年収交渉なんてできない」と思っていたが、エージェントに「最低希望ライン」を1行伝えるだけで、提示額が変わる経験を実際にした。
共通点3:「業務外学習」を年1〜2サイクル維持する
これが地味だが、最も効く。
- 年1回、新しい技術領域に半年〜1年かけて触れる
- 業務外でアウトプットを1本でも残す(ブログ・GitHub・登壇)
- 「未経験から学習継続している人」のシグナルを途切れさせない
3年後・5年後にエージェントが見るのは、年収以上に「学習継続力の足跡」だ、と複数のエージェントが言っていた。
「3年で600万」が届かないケース
最後に、正直に書いておきたい。
3年で600万に届かないパターンも、実在する。
- 入社後、レビュー文化・メンター不在の現場に当たって、技術成長が止まる
- 受託の現場で、ずっと検証・テスト作業に固定される
- SESで複数現場を転々とさせられ、専門性が積まれない
これは本人の努力ではなく、入社先の構造の問題だ。1年目の終わりで「このまま3年居ても、年収が頭打ちかもしれない」と感じたら、エージェント1〜2社にすぐ相談するのが正解だ、と私は思っている。
3年で600万に届かないことそのものは問題ではないが、「届かない構造の現場に5年居続ける」のは、機会損失が大きい。
まとめ|「3年で600万」は届く範囲、ただし設計が必要
30代未経験エンジニアが3年で年収600万に届くパスは、
- パス1:受託開発で設計・要件定義まで広げる(営業出身者向け)
- パス2:自社開発に1.5年で転職し、技術深掘りに振る(学習継続力が強い人向け)
の2つが現実的だ。どちらも、入社時400万円台から、3年で+150〜200万円積み上げる設計になる。
共通して効くのは、半年に1回のエージェント近況連絡、年収交渉の準備、業務外学習の継続、の3点だ。
すぐ転職する必要はなくても、半年に1回エージェントに近況を伝えておくと、3年後の選択肢が明らかに広がる。
【補足・参照情報源】
本記事は、私(Nakata)と同期事例の30代未経験で受託開発中心のWeb系企業に入社した経験(入社時400万円台前半/入社1年で年収+150万円・週4日リモート)を主軸に、厚生労働省「賃金構造基本統計調査」「職業情報提供サイト job tag」・独立
あわせて読みたい:1年目の年収交渉
あわせて読みたい:エージェント2社並行のリアル
関連記事(キャリア設計・1年目以降)
よくある質問(FAQ)
Q1. 30代未経験でも本当にITエンジニアに転職できますか?
A. 可能です。私は文系・元営業・手取り18万から3ヶ月60万円のスクール経由で2社内定に到達しました。応募15社/書類8通過/面接5/内定2の現実値で、35歳以下なら「なぜ今ITか」を語れることが境界線になります。
Q2. プログラミングスクール60万円は元が取れますか?
A. 入社1年で年収+150万円を達成し、3ヶ月60万円は7〜8ヶ月で回収しました。経産省リスキリング給付金(最大56万円)の対象スクールを選べば実質負担はさらに下がります。詳細は経産省 人材育成施策の公式ページを参照してください。
Q3. 未経験で学ぶべき言語は?
A. Web系受託を目指すなら JavaScript(HTML/CSS)→ Ruby on Rails か PHP(Laravel)の順が現実的です。経産省「IT人材白書」でも需要シェア的にWeb系言語の求人数が安定しています。最初の1〜2ヶ月は「言語」より「環境構築」と「Git」の壁を越えるのが鍵です。
Q4. 転職活動は何ヶ月くらいかかりますか?
A. 未経験は3〜6ヶ月が現実値です。私は応募開始から内定まで2ヶ月半でしたが、書類で7社落ちる前提のメンタル設計が大事。厚労省 job tag や賃金構造基本統計でジョブ別年収中央値を見ながら期待値を調整してください。
Q5. エージェントは何社使うべきですか?
A. 2社が基準です。1社は大手総合型(リクルートエージェント等)、もう1社はIT特化型(レバテックキャリア・TechGo等)の組み合わせ。多すぎるとスケジュール管理で詰むので、面接管理が破綻しないラインで運用してください。
このセクションは ../00_構造化データテンプレ §3-2 に基づくWP公開用テンプレ。md_to_swell の通常変換ではコードブロックとして表示されるため、WP管理画面で「カスタムHTMLブロック」に手動移行するか、Phase 3 自動化スクリプトで本文末に注入する。
よくある質問
Q: 転職に有利な時期はいつですか?
A: 求人が増える3月・9月(年度末・中間決算期)が一般的に転職活動のベストシーズンです。ただし自分のスキルアップ・タイミングを最優先し、準備が整ったら時期を選ばず動くことも重要です。
Q: 第二新卒(卒業後3年以内)の転職は不利ですか?
A: 不利ではありません。企業は第二新卒に「ポテンシャル」「素直さ」「新しい環境への適応力」を期待しています。厚生労働省の「若年者雇用実態調査」でも第二新卒採用に積極的な企業が増加傾向にあります。
Q: 転職エージェントは無料で使えますか?
A: はい、求職者側は完全無料です。エージェントは転職先企業から紹介料(採用後年収の30〜35%程度)を受け取るビジネスモデルです。リクルートエージェント・doda・マイナビエージェントが大手3社です。
Q: 書類選考の通過率を上げるにはどうすればいいですか?
A: ①求人票のキーワードを職務経歴書に入れる ②実績を数値で表現する(売上○%向上等) ③応募職種に合った実績を優先して記載する——の3点が通過率向上の基本です。
Q: 30代・40代での転職は年収が下がりますか?
A: 必ずしもそうではありません。専門スキル・マネジメント経験がある場合は年収アップの転職も可能です。ただしチャレンジ転職(未経験業界)では一時的な年収低下を覚悟した上での長期戦略が必要です。
転職は単なる「職場の移動」でなく、キャリアの意図的な設計です。厚生労働省の「労働経済白書」では、転職経験者の7〜8割が転職後のキャリアに肯定的な評価をしています。自分の価値観と市場のニーズを照合した戦略的な転職が、長期的なキャリア満足につながります。
転職は単なる「職場の移動」でなく、キャリアの意図的な設計です。厚生労働省の「労働経済白書」では、転職経験者の7〜8割が転職後のキャリアに肯定的な評価をしています。自分の価値観と市場のニーズを照合した戦略的な転職が、長期的なキャリア満足につながります。
転職は単なる「職場の移動」でなく、キャリアの意図的な設計です。厚生労働省の「労働経済白書」では、転職経験者の7〜8割が転職後のキャリアに肯定的な評価をしています。自分の価値観と市場のニーズを照合した戦略的な転職が、長期的なキャリア満足につながります。

