受託開発・自社開発・SES、未経験はどこを狙うべきか — 実際に受託に入った私の見方

この記事でわかること

  • 受託開発・自社開発・SESの違いと、求人数・難易度の関係
  • 未経験が応募するときの現実的な優先順位の組み方
  • 「SESはやめとけ」の本当の意味(会社による、の中身)
  • 業態問わず求人票で必ず見るべき3つの軸
  • 「受託に見えて実はSES」を見抜くエージェントの使い方

公的情報源: 独立行政法人 情報処理推進機構(IPA)「DX白書」(参照)/厚生労働省「一般職業紹介状況」(参照

業態の見分けに迷ったら、IT特化エージェントに求人の実態を聞くのが一番早いです。

結論を先に書きます

未経験で転職活動を始めると、必ず引っかかるのが「受託開発・自社開発・SES」の3区分です。求人票を見ても、どれを狙うかで応募戦略がだいぶ変わります。

ネット上には「受託は下請け/自社が偉い/SESはやめとけ」という極端な意見があふれています。ですが未経験が選べる現実は、もっとシンプルです。求人数はSES>受託>自社、難易度はその逆。応募順は「とっかかりの入りやすさ」と「入社後の育ち方」で設計するのが現実的です。

この記事の要点
  • 未経験向けの求人数はSES>受託>自社、入社難易度は逆順
  • 「SESはやめとけ」は会社による。育成体制と案件の動かし方で見極める
  • 応募は受託を本命・自社を本命外・SESを母数に置くと組み立てやすい
  • 求人票は「未経験OKの境界条件」「OJT体制」「技術スタック」の3軸で読む

この記事では文系・営業3年から30代未経験で受託開発のWeb系企業に入った立場をベースに、3業態の違いと、未経験がどこを狙うのが現実的かを整理します。

目次

受託・自社・SES、3業態のざっくり整理

まず3業態の違いを、仕事の出どころで押さえます。違いの本質は「誰から仕事をもらい、どこで働くか」です。

業態仕事の出し手働く場所求人数(未経験向け)
受託開発クライアント企業から発注される案件を自社が請け負う自社中程度
自社開発自社のサービスを開発・運用自社少ない(人気枠)
SESクライアント企業の現場に常駐して開発を担当客先多い

未経験向けの求人数は「SES>受託>自社」で、入社難易度はその逆「自社>受託>SES」になります。これは転職活動中に求人票を見比べた範囲での感覚値です。

この偏りには業界構造の背景があります。IPA(情報処理推進機構)の「DX白書」では、IT人材の量的不足が続き、企業のDX推進フェーズに応じて受託・自社・SESそれぞれの役割があると示されています。「未経験向けはSESに集中している」のは、業界構造の必然。この前提を知っておくと、求人母集団の偏りに納得がいきます。

あわせて読みたい:30代未経験IT転職の現実文系の向き不向き

3業態のメリット・デメリット(未経験視点)

ここからは3業態を、未経験のスタート地点としてのメリット・デメリットで整理します。それぞれに固有の向き不向きがあります。

  1. 受託開発:技術の幅・育成・難易度のバランス型
  2. 自社開発:難易度は高いが当たれば深く伸びる
  3. SES:入りやすさは随一、会社選びがすべて

受託開発:バランス型

受託開発の最大の利点は、技術の幅が広がりやすいことです。案件ごとに言語やフレームワークが変わるため、未経験から1〜2年目の経験値を厚くするのに効きます。「言語Aで作った3か月後に言語Bで別案件」という積み方ができます。

  • メリット:短期で複数案件を経験できる/技術の幅が広がる/自社内で評価・育成が完結し教育環境を作りやすい

  • デメリット:納期前は残業が増えやすい(平常は月20時間前後でも、案件によっては40〜50時間まで増える月もある)/クライアント都合で仕様変更が入る/案件ごとに頭の切り替えが必要

受託は「技術幅・育成・難易度」のバランスが取れていて、未経験のとっかかりとして無難です。

自社開発:難易度は高いが深く伸びる

自社開発は、自社サービスを継続的に育てるため専門性の深さが出ます。リモート率が高めで福利厚生も整っている傾向があり、履歴書の見栄えも良くなります。

  • メリット:自社サービスを継続的に育てるので深さが出る/リモート率・福利厚生が比較的整う/ブランド力で履歴書の見栄えが良い

  • デメリット:未経験OKの求人数が少なく人気が集中する/入社後の即戦力要求が高めなことがある/求人票の年齢条件に引っかかる確率が上がる

未経験で有名どころのWebサービス系を狙うのは、難易度が高めです。応募はしてよい。ただし本命にすると母数が確保できない。これが現実的な見立てです。

SES:入りやすいが会社選びがすべて

SESは求人数が多く、未経験OKの案件も豊富です。研修制度を整えている会社が多く、入社へのハードルは3業態で一番低いです。

  • メリット:求人数が多く未経験OK案件が多い/スタート時の研修制度を整えた会社が多い/入社ハードルが3業態で最も低い

  • デメリット:案件の選り好みが効かないことがある/客先常駐で自社の同僚との接点が薄い/スキルアップが案件次第になりやすい(コードを書けない案件への長期アサインのリスク)

「SESはやめとけ」という意見をよく見かけます。ですが実態は会社による、というのが現場の見方です。

判断軸は2つです。育成体制が整っているか。そして、案件のミスマッチが起きたときに次の案件へ動かしてくれるか。この2点を満たす会社なら、未経験のスタート地点として悪くありません。逆に、ミスマッチが起きても何年も動かさない会社は避けたいところです。

未経験はどこから狙うのが現実的か

3業態の特徴を踏まえて、未経験が応募するときの優先順位を整理します。結論は「受託を本命・自社を本命外・SESを母数」に置く組み方です。

  1. 第一志望:受託開発系(中小〜中堅)
  2. 第二志望:自社開発系(中堅まで)
  3. 母数確保:SES(育成体制を確認した上で)

実際の応募では、受託7・自社5・SES3という配分で15社に出しました。書類が通ったのは受託6・自社1・SES1の計8社。面接5社のうち4社が受託、内定2社はいずれも受託でした。最終的に受託に入ったのは、書類通過率と面接通過率の両方が一番高かったからです。

ただし、これは「営業3年・文系・受託の客折衝に近い経験あり」という前提があっての結果です。最適な優先順位は、前職経験の翻訳しやすさで変わる。前職が「自社サービスの企画」「マーケティング」寄りなら、自社開発のほうが経歴を翻訳しやすくなります。

あわせて読みたい:未経験30代の年収600万キャリアパス

求人票で見るべき3つの軸

業態を絞ったあとは、求人票の読み方です。未経験で求人を見るときにチェックしていた軸を3つだけ挙げます。この3軸を外すと、入社後のミスマッチが起きやすくなります

  1. 「未経験OK」の境界条件
  2. 教育・OJT体制の記述
  3. 開発技術スタックの記述

① 「未経験OK」の境界条件

「未経験OK」と書いてあっても、実質「ITスクール卒のみ」「ポートフォリオ必須」「30歳以下」のような条件が後ろに隠れていることが多いです。求人票の下の方の応募条件を必ず読むこと。表の見出しだけで判断しないのが鉄則です。

② 教育・OJT体制の記述

「先輩エンジニアがメンターとしてサポート」「最初の3か月は研修期間」といった記述があるかを見ます。これが書かれていない求人は、入社直後にいきなり案件へ放り込まれる確率が高いと判断していました。

③ 開発技術スタックの記述

「Ruby on Rails」「React」「AWS」「Docker」のような具体的な技術名が書かれているか。これがないと「実際に何を書く現場なのか」が分かりません。記述がなければ、面接で必ず確認するようにします。

なお、職種ごとの求人の出やすさには差があります。厚生労働省「一般職業紹介状況」の有効求人倍率を見ても、IT・専門技術系は職種ごとに数字が分かれます。母数の確保しやすさは、業態だけでなく職種でも変わってきます。

エージェントを使うと業態の見分けが早い

ここまでの「受託・自社・SES」の見分けは、未経験が求人票だけで判断するのが難しい領域です。特に厄介なのが「受託に見えて実はSES」のような中間業態です。

これはエージェントの本来の出番です。「この求人は受託ですか、SESですか」「客先常駐の比率はどれくらいですか」と直接聞けば、案件の実態を把握している担当者なら答えてくれます。業態の解像度は、求人票より担当者の口頭情報のほうが高い

TechGo・レバテックキャリア・GeeklyのようなIT特化のエージェントは、業態の解像度が高い傾向があります。総合型のエージェントだと、ここで話が詰まることがありました。業態の見分けに迷っている段階なら、IT特化エージェントに1〜2社登録して、業態別に求人を10件ずつ見比べると一気に視界が開けます。

「受託かSESか」の判断は、求人の実態を握るIT特化エージェントに直接聞くのが最短です。登録は無料、まず業態別の求人を見るだけでもOKです。

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よくある質問

受託・自社・SESの業態選びについて、未経験の方から頻出する質問を整理します。

Q1:未経験はSES・受託・自社のどれを最初に狙うべきですか?

求人数の多さで母数を確保しやすいのはSES、入社後の育ちやすさで無難なのは受託です。前職経験を翻訳しやすい業態が一番通りやすいため、営業・接客系なら受託、企画・マーケ系なら自社が候補になります。1業態に絞らず、受託を本命・SESを母数に置く組み方が現実的です。

Q2:「SESはやめとけ」は本当ですか?

一律にやめとけ、ではありません。判断は会社によります。育成体制が整っていて、案件のミスマッチ時に次の案件へ動かしてくれる会社なら、未経験のスタート地点として悪くありません。逆に、ミスマッチが起きても何年も動かさない会社は避けるべきです。「研修内容」「自社案件比率」「案件変更の柔軟性」の3点を面接で確認してください。

Q3:自社開発は未経験には厳しいですか?

難易度は高めです。未経験OKの求人数が少なく、人気が集中するためです。応募してはいけないわけではありませんが、本命にすると母数が確保できません。中堅クラスまで含めて応募の選択肢に入れつつ、受託やSESで母数を別途確保しておくのが安全です。

Q4:求人票のどこを見れば業態が分かりますか?

「自社サービス」「自社プロダクト」とあれば自社開発、「客先常駐」「プロジェクト先」「お客様先」とあればSESの可能性が高いです。受託は「受託開発」「請負」と明記されることが多いですが、実態が分かりにくいときはエージェントに直接確認するのが確実です。求人票の文言だけで断定しないのがコツです。

Q5:エージェントは何社くらい使えばいいですか?

業態の見分けが目的なら、IT特化エージェントを1〜2社で十分です。同じ求人を別経由で重複応募しないこと、業態を質問したら回答を求人ごとにメモすることの2点を守れば、面接管理が破綻せずに業態の解像度を上げられます。

まとめ:未経験のスタート地点として

受託・自社・SESを未経験のスタート地点として見た結論を、最後に整理します。

この記事のまとめ
  • 受託開発:技術幅・育成・難易度のバランスがよく、未経験のとっかかりとして無難
  • 自社開発:難易度は高いが当たれば深く伸びる。応募はしてよいが本命外に
  • SES:求人数の母数として使える。育成体制と案件の動かし方で会社を見極める
  • 応募は受託を本命・自社を本命外・SESを母数に置くと組み立てやすい
  • 求人票は「未経験OKの境界条件」「OJT体制」「技術スタック」の3軸で読む

迷っているなら、まずIT特化エージェント1〜2社に登録して、業態別に求人を10件ずつ見比べてみるのが早道です。求人票の解像度が一段上がり、「受託かSESか」の判断軸が自分の中にできます

業態選びでつまずいている人ほど、求人の実態を握るエージェントに聞くと早く前に進めます。登録は無料、合わなければ退会すればよいだけです。

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免責事項

※本記事は転職・求人サービスの公開情報と利用者の声をもとにした整理です。最終的なサービス選択・転職判断は各公式サイトの最新情報および厚生労働省・IPA等の公的情報をご確認のうえご判断ください。労務・契約条件に関わる重要な判断は、必要に応じて社会保険労務士・弁護士など有資格者へご相談ください。


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この記事を書いた人

Nakata|転職辞典 管理人

文系私大卒・元営業職。スキルなし・手取り18万の状態からプログラミングスクールで学習し、3ヶ月で未経験Webエンジニア転職に成功。年収150万UP・週4リモート勤務を実現。このサイトでは、実体験をもとにしたIT転職情報を発信しています。

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