私もフリーランスを意識し始めた頃、「未経験で案件取れるって本当?」と検索しては、書いてある人と書いてない人の温度差で頭がぐるぐるしていました。営業から3ヶ月のスクールを経てWebエンジニアに転職、今は週4リモートの会社員として働きつつ、副業で案件を持っています。実は会社員1年目の終わり頃から「最初の1件」をとるまでに、3ヶ月くらい胃が重い時期がありました。
世の中には「3ヶ月で月収50万」みたいな煽り記事もありますが、半分本当で、半分は条件付きです。完全未経験から案件をとるのは構造的に厳しい。でも、ルートを順番に踏めば、最初の1件は現実的にとれます。この記事では、その「順番」と「胃が重くなるポイント」を、自分の体感と一次情報で整理します。
この記事でわかること
- 完全未経験からフリーランスエンジニアになるリアルな道のり
- 最初の1件を取るために本当に必要なステップ
- 案件獲得の3つのチャネル(エージェント・クラウドソーシング・直接営業)の使い分け
- 副業からフリーランス独立への現実的なタイムライン
- 案件獲得後に詰まりやすいポイントと対処法
完全未経験からフリーランス直行は、現実的にきつい
最初に正直なことを書きます。「学習も実務経験もゼロの状態から、いきなりフリーランスエンジニア」というルートは、現実的にかなり厳しいです。理由は3つあります。
理由1:クライアントが「ポートフォリオ」より「実務経験」を見る
副業案件・業務委託案件で募集されている仕事は、ほとんどが「実務経験1年以上」「実装経験のある言語◯◯」という条件付きです。クライアントは「教える時間がないから、即戦力に来てほしい」というスタンスです。完全未経験だと、応募時点で書類落ちすることが多くなります。
理由2:単価が極端に低くなる
実務経験ゼロでも応募できる案件はあります。クラウドソーシングのHTML/CSSコーディングなどです。ただし単価は1ページ1,000〜3,000円というレンジで、時給換算すると最低賃金を割ることもあります。「フリーランスで生活する」という意味では現実的ではありません。
理由3:自走できる土台がない状態で詰まる
未経験の状態でいきなり案件を取ると、エラー一つで半日溶かすことになります。私もスクール卒業直後に簡単な案件を取ろうとしたことがありますが、Gitのコンフリクト解消で1日詰まって、結局スクール仲間に助けを求めました。土台がないと、案件をこなすこと自体が苦行になります。
なので「未経験→いきなりフリーランス」ではなく、「未経験→転職→実務経験1年→副業→独立」というルートが現実的です。私もまさにそのルートを通っています。
最初の1件を取るまでの5ステップ
STEP 1:プログラミング基礎を固める(独学またはスクール)
まずはここです。最低でも以下を扱える状態を目指します。
- HTML/CSS:レスポンシブ対応のコーディングができる
- JavaScript:DOM操作・非同期処理(fetch等)が書ける
- いずれかのバックエンド言語:Ruby/PHP/Pythonなどで簡単なCRUDアプリが作れる
- Git:ブランチ運用・コンフリクト解消が一人でできる
独学で続けられる人は独学で問題ないですが、私は独学2週間で挫折してスクールに切り替えました。3ヶ月のスクール期間は、振り返ると「土台を作るために必要な時間」だったと思います。
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STEP 2:転職して実務経験を1年積む
ここが最大の関門で、最大の近道です。実務経験1年があるかないかで、案件応募時の通過率が体感で5〜10倍変わります。
実務経験で身につくのは、技術スキルだけではありません。「要件をどう聞くか」「コードレビューをどう受けるか」「期日に間に合わない時にどう連絡するか」という、フリーランスで一番大事になるコミュニケーションの土台です。私もこの1年で、エラーが出たときの「自分でどこまで調べて、いつ質問するか」の感覚が身につきました。
未経験から正社員への転職ルートとしては、IT特化のエージェントを使うのが現実的です。
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STEP 3:ポートフォリオを2〜3個整える
実務経験を積みながら、副業に向けてポートフォリオを準備します。GitHubに「自分で考えて作ったもの」を2〜3個載せておくのがおすすめです。
- 1個は業務で使えるレベルの完成度(テスト・READMEあり)
- 1個は技術的に挑戦したもの(新しいフレームワーク・ライブラリ)
- 1個はシンプルに動くもの(クラウドソーシング向けの「動くデモ」)
私の場合、最初の案件はポートフォリオを見て声をかけてもらった経路でした。GitHubのREADMEを丁寧に書いておくと、クライアント側の安心感が違います。
STEP 4:副業案件をエージェント・クラウドソーシングで探す
実務経験1年と最低限のポートフォリオが揃ったら、案件を探します。チャネルは大きく3つあります。
チャネル1:副業向けエージェント
業務委託案件を扱うエージェント(ITプロパートナーズ、Workship、レバテックフリーランスなど)に登録します。希望条件・稼働時間・単価を伝えると、案件を紹介してもらえます。
メリットは、単価交渉・契約手続き・トラブル対応をエージェントが代行してくれること。デメリットは、案件の競争率が高いことです。
チャネル2:クラウドソーシング
ランサーズ・クラウドワークス・ココナラなどです。実績ゼロから始められる代わりに、単価は低めです。「最初の1件で実績を作る」目的なら有効ですが、単価で生活するのは厳しいです。
チャネル3:直接営業・知人経由
X(旧Twitter)やQiita、技術ブログから声がかかるパターンです。スクール仲間や前職のつながりからの紹介もあります。私の最初の案件は、スクール時代の同期から「人手が足りないんだけど」と相談されたものでした。
STEP 5:契約・納品・継続案件化
案件を受注したら、契約書を必ず交わします。業務委託契約の中で「納期」「単価」「修正回数」「権利関係」「秘密保持」を明文化します。口約束はトラブルの元です。
最初の1件は、納期に余裕を持って受けるのがおすすめです。私の最初の案件は「2週間で終わる」と見積もったものを、結局1ヶ月かかりました。実装より「クライアントとの認識合わせ」「Slackでの質問のタイミング」の調整に時間がかかります。
案件獲得チャネル3つの比較表
| チャネル | 単価相場 | 獲得難易度 | 向いている人 |
|---|---|---|---|
| 副業エージェント | 時給3,000〜6,000円 | 中(実務1年以上で可) | 安定して案件を取りたい人 |
| クラウドソーシング | 1案件1,000〜30,000円 | 低(実績ゼロでも可) | 最初の1件で実績を作りたい人 |
| 直接営業・知人経由 | 案件次第(高め) | 高(コネが必要) | 技術発信ができる人・人脈がある人 |
| エンジニア向け転職エージェント経由の業務委託 | 時給4,000〜8,000円 | 中〜高 | 実務2年以上の経験者 |
私の場合は、最初がクラウドソーシング(実績作り)、次が副業エージェント(安定収入)、その後で直接営業(高単価)というルートでした。
副業からフリーランス独立への現実的なタイムライン
0〜12ヶ月:転職して実務経験を積む
未経験からスクール経由でWebエンジニアに転職し、実務経験を1年積みます。この時期は副業に手を出さず、本業で「コードレビューを受ける」「設計に関わる」「障害対応を経験する」ことに集中するのがおすすめです。
12〜18ヶ月:副業で月3〜5万円の案件を1〜2件持つ
実務経験1年を超えたあたりで、副業エージェントに登録します。週末・平日夜の稼働で月10時間程度の案件を持ち、月3〜5万円の収入を作ります。この時期に「クライアント対応の癖」「請求書発行のフロー」を体得します。
18〜24ヶ月:副業を月10〜20万円規模に拡大
案件を2〜3件に増やし、月10〜20万円の副業収入を作ります。本業の年収+副業で、独立後の見込み年収が見えるようになります。
24ヶ月以降:独立判断
副業収入が本業年収の50〜70%に到達したら、独立を本格検討するフェーズです。私自身はまだ会社員+副業の二刀流ですが、「いつでも独立できる選択肢を持つ」状態になっただけで、本業のメンタルもかなり楽になりました。
案件獲得後によくある詰まりポイント
詰まり1:認識合わせで時間を溶かす
クライアントの「こんな感じで」が一番危険です。私も最初の案件で「シンプルなフォーム」と言われて作ったら「もうちょっとリッチに」と差し戻されて、結局3回作り直しました。最初の段階で、参考サイトURL・画面イメージ・必須機能をテキストで確認するのが必須です。
詰まり2:見積もりが甘い
「2週間で終わる」と見積もった案件が、テスト・修正・打ち合わせを含めて結局1ヶ月かかる、というのが新人あるあるです。実装時間×1.5〜2倍で見積もるのが現実的です。
詰まり3:契約書を交わさずトラブル
口約束で進めて、納品後に「これも追加で」と言われ続けるパターンです。業務委託契約書を最初に交わすこと、修正回数を明文化すること、これだけで防げるトラブルが大半です。
詰まり4:本業との両立で体調を崩す
副業を始めた最初の3ヶ月、私は土日返上で作業していて、平日の本業のパフォーマンスが落ちました。「副業は週10時間まで」と上限を決めるのが、長続きのコツです。
公的機関の情報源も確認しておく
フリーランスとして働く場合、税務・社会保険・契約のルールを知っておく必要があります。
- 国税庁:開業届・確定申告の基本(国税庁 開業届公式ページ)
- 厚生労働省:フリーランスとして安心して働ける環境を整備するためのガイドライン
- 公正取引委員会:フリーランス・事業者間取引適正化等法(2024年11月施行)
特に2024年11月に施行されたフリーランス保護法(特定受託事業者に係る取引の適正化等に関する法律)は、業務委託契約のトラブル防止に直結する内容なので、独立前に一度目を通しておくのが安心です。
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まとめ:最初の1件は「順番」を踏めば必ず取れる
- 完全未経験からの直接フリーランスは構造的に厳しい
- 「転職→実務1年→副業→独立」が現実的なルート
- ポートフォリオはGitHubに2〜3個(業務レベル・挑戦・シンプル)
- 案件チャネルは「副業エージェント・クラウドソーシング・直接営業」の3つ
- 最初の1件はクラウドソーシングで実績作り、次に副業エージェント、最後に直接営業
- 副業は週10時間まで・見積もりは1.5〜2倍・契約書必須
- フリーランス保護法の存在を知っておくとトラブル予防になる
私自身、3ヶ月スクール→転職→実務1年→副業1件目までに、手が止まる夜が何度もありました。でも順番を踏めば、最初の1件は現実的に取れます。焦らず、土台を作ってから動くのがいちばんの近道です。
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FAQ
- 未経験でも本当にフリーランスエンジニアになれますか?
-
「学習未着手の状態からいきなり」は現実的にかなり厳しいです。「学習+スクール→転職→実務1年→副業→独立」のルートなら、2〜3年スパンで現実的に到達できます。私もこのルートで進んでいます。
- スクールに通わずに独学だけでフリーランスを目指せますか?
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可能ですが、独学は挫折率が高いです。独学で続けられる人は独学で問題ありません。私は独学2週間で挫折したのでスクールに切り替えました。「自分が独学に向いているか」を最初に試すといいです。
- 最初の1件で単価いくらが現実的ですか?
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クラウドソーシングなら1案件3,000〜30,000円、副業エージェント経由なら時給3,000〜5,000円です。最初は実績作りが目的なので、単価より「無事に納品して評価を得る」ことを優先するのがおすすめです。
- 副業から独立するタイミングはいつですか?
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副業収入が本業年収の50〜70%に達した時が一つの目安です。それまでは「独立できる選択肢を持つ」状態のまま会社員+副業の二刀流のほうが、リスクが低いです。
- フリーランスと正社員、どちらが収入が多いですか?
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案件次第なので一概には言えませんが、実務3年以上のWebエンジニアならフリーランスのほうが額面は上がる傾向があります。ただし社会保険・税金・案件の安定性を考慮すると、手取り・実質収入の差はそこまで大きくないこともあります。
- 30代でも未経験からフリーランスを目指せますか?
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構造的には20代より厳しいですが、無理ではありません。前職の業界知識(営業マネジメント、経理、医療など)と組み合わせて、業務SE・PM補佐などの形で入るルートが現実的です。
- 確定申告や開業届はいつ出せばいいですか?
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副業で年間20万円以上の所得が出たら確定申告が必要です。開業届は独立時に提出します。青色申告にすると最大65万円の控除が使えるので、独立時には青色申告承認申請書も同時に出すのが定番です。
- 案件のトラブルが起きたらどうすればいいですか?
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2024年11月に施行されたフリーランス保護法(フリーランス・事業者間取引適正化法)が適用されるケースが多いです。報酬未払い・一方的な契約変更などは、公正取引委員会・中小企業庁の相談窓口に相談できます。
※本記事は筆者の体験および公開情報をもとに執筆しています。フリーランスとして働く場合の税務・契約条件は個別の状況により異なるため、税理士・弁護士などの専門家への相談を推奨します。

