📌 結論(30秒で読める)
未経験エンジニアのポートフォリオで評価されるのは、技術スタックの派手さより「なぜこのテーマか30秒で語れる/READMEが意思決定型/狭くてもユーザー体験まで作り込む」の3点。私の場合、応募15社中8社(53%)が書類通過しました。厚労省「職業情報提供サイト job tag」のWeb職要件とも方向が一致します。
未経験エンジニアの転職活動で、ポートフォリオは「書類通過の合否を決める」と言われる。私自身、応募15社・書類通過8社の通過率を取れたのは、ポートフォリオの作り方を途中で大きく変えたからだ。
ただ、世の中の「未経験エンジニア ポートフォリオ 評価」の記事を読んでも、「ToDoアプリだとダメ」「オリジナル要素を入れろ」のような抽象論が多い。私が知りたかったのは、「実際に評価された/されなかったポートフォリオが、どこで分岐したか」だった。
この記事では、私の同期3人(私を含む)のポートフォリオを紹介して、面接で評価された理由を分解する。なお、本人特定を避けるため、内容は私個人の経験と同期の事例を再構成している。
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評価されるポートフォリオの3つの共通点(先に結論)
3人のポートフォリオを並べて見ると、評価された側に共通点があった。
- 「なぜこのテーマを選んだか」が30秒で語れる
- READMEが「読み手の意思決定」を意識して書かれている
- 動く範囲が狭くてもいいから、本気でユーザー体験まで作り込んでいる
この3つは、技術力の高さよりも、書類通過と面接通過に直接効いた。順番に実例で見ていく。
なお、エンジニアに求められるスキル像は、厚生労働省「職業情報提供サイト job tag」(https://shigoto.mhlw.go.jp/・2026年5月閲覧)の「Webプログラマ」「システムエンジニア」等の職業情報でも、コーディング能力以上に「業務要件の理解」「説明・ドキュメント化」が要素として整理されている。ポートフォリオで「READMEと語り」が技術スタックの派手さより評価された私たちの経験は、こうした公的なスキル要件と方向が合っている、と整理している。
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実例1:営業職向けの顧客リスト管理アプリ(私のポートフォリオ)
概要
私が作ったポートフォリオは、「営業職向けの顧客リスト管理アプリ」だった。
- 機能:顧客の登録・編集・削除/訪問履歴の記録/次回アクション日のリマインダ/検索・絞り込み/タグ管理
- 技術:Ruby on Rails / PostgreSQL / Bootstrap / Heroku
- 制作期間:2週間(スクール期間の週10〜11)
評価された理由(面接で実際に言われたこと)
面接5社のうち4社で、ポートフォリオに対して同じ趣旨のコメントをもらった。
- 「営業出身でこのテーマを選んだ理由が腹落ちする」
- 「実際に使うユーザーを想像して作っているのが分かる」
- 「READMEに『これを作った背景』が書いてある」
技術的に飛び抜けたものは何もない。CRUD・検索・タグ管理・リマインダ、どれもチュートリアルレベルの実装だ。それでも評価された理由は、「営業出身だからこそ作る理由がある」というストーリーが、READMEと面接の語りの両方で一貫していたからだ、と思っている。
分解:何が効いたか
- テーマ選び:前職の経験から逆算した。「自分が営業時代に欲しかったツール」というロジック。
- README構造:背景 → 解決したい課題 → 機能一覧 → 技術選定理由 → 今後追加したい機能、の5層構造。
- 本気度の見せ方:「次回アクション日のリマインダ」のような、営業の実務でしか気づかない細部を、機能として実装した。
技術力でジュニアレベルに勝つのは難しい。だが、テーマ選びとストーリーで「他の応募者と差別化できる場所」を作ることはできる、と学んだ。
実例2:英語学習者向けの「単語×例文」レビューアプリ(同期A)
概要
スクール同期のAさん(仮)は、元・塾講師。
- 機能:英単語と例文をセットで登録/忘却曲線に沿った復習リマインダ/間違いの記録/復習成功率の可視化
- 技術:Ruby on Rails / PostgreSQL / Chart.js / Heroku
- 制作期間:3週間(スクール期間の週10〜12)
評価された理由
Aさんは応募12社で書類通過7社・内定3社と、私より高い通過率を取った。要因は3つ。
- 「忘却曲線」という具体的な学習理論を、機能設計に落とし込んでいた
- 復習成功率を時系列でグラフ化していて、データの扱いが入っていた
- README に「自分自身が英語学習で挫折した経験」を書いていた
技術スタックは私と似ているが、Chart.jsで成功率グラフを実装した点が、「未経験でもデータ可視化に踏み込める」というシグナルになった。面接で「Chart.jsはどう学んだか」を聞かれたそうで、そこで「公式ドキュメントと、Qiitaの3本の記事で詰まったところを乗り越えた」と答えたところ、独学力を評価された、と本人から聞いた。
分解:何が効いたか
- テーマと自己経験の接続:塾講師だったAさんが「英語学習者向け」を選ぶ必然性が、READMEで自然に語られていた。
- 技術選定の必然性:忘却曲線 → 復習リマインダ → 成功率グラフ、と機能と技術の選定がロジカルにつながっている。
- 「詰まったところ」の解消経路を語れる:これは面接の独学力評価で効いた。
実例3:地元飲食店の「営業時間×天気」連動アプリ(同期B)
概要
スクール同期のBさん(仮)は、元・飲食店スタッフ。
- 機能:地元飲食店の営業時間情報を登録/天気APIと連動して「今日の営業時間が変わるか」を表示/ユーザーの口コミ投稿
- 技術:Ruby on Rails / PostgreSQL / OpenWeatherMap API / Bootstrap / Heroku
- 制作期間:3週間
評価された理由
Bさんは応募8社で書類通過5社・内定1社。通過率は高くないが、最終的に第一志望の自社開発企業に内定した。
理由は3つ。
- 外部API連携(OpenWeatherMap)を入れていた
- 「飲食店の営業時間は天気で変動する」という現場知識が、テーマに反映されていた
- READMEに「なぜAPIを天気で選んだか」の意思決定理由が書かれていた
外部API連携は、未経験ポートフォリオでは差別化要因になる。「APIキーの管理」「リクエスト失敗時のハンドリング」など、実務で必要な小さな筋肉が見える。面接でも「APIリクエストが失敗したらどう処理しているか」を聞かれて、想定外のレスポンスへの対応コードを画面共有で見せたところ、現場感覚を評価された、と本人から聞いた。
分解:何が効いたか
- 外部API連携で「自社のDBの外側」に出る経験を見せる
- APIエラーハンドリングを実装している(現場で重要)
- テーマが「飲食店スタッフだったから気づける課題」になっている
評価されなかった同期のパターン(参考まで)
3人とは別に、評価されなかった同期も近くで見てきた。共通していたのは、これだ。
- ToDoアプリ・メモアプリ・タスク管理アプリのような「教材通り」のテーマ
- READMEが「機能一覧」と「使い方」だけで、「なぜ作ったか」が書かれていない
- 自分の前職経験との接続がゼロ
技術スタックや実装の難易度は、評価されたグループとほとんど変わらなかった。それでも書類通過率に明確な差が出た。「何を作ったか」より「なぜ作ったか」と「どう伝えたか」が、未経験ポートフォリオの分岐点だ、と今は強く思っている。
未経験ポートフォリオの設計ステップ
ここまでの3実例から、未経験エンジニアのポートフォリオ設計を3ステップで整理しておく。
ステップ1:前職・属性からテーマを逆算する
「自分が前職で困っていたこと」「自分の属性だから気づける課題」を、紙に20個書き出す。この中で、Webアプリで解決できそうなものを1つ選ぶ。教材から離れた瞬間に、ポートフォリオは「あなた専用のテーマ」になる。
ステップ2:READMEを「面接官の3分」で書く
READMEは、面接官が3分で読み切れる構造にする。私と同期2人が共通で使っていた構造は、5層。
- このアプリは何を解決するか(2行)
- なぜ作ったか(自分の経験と課題の接続)
- 機能一覧
- 技術選定の理由(なぜRailsか、なぜこのDBか、なぜこのAPIか)
- 今後追加したい機能(運用フェーズへの想像力)
ステップ3:「詰まったところ」と「乗り越え方」を3つ用意する
面接で必ず聞かれる質問が「ポートフォリオで一番詰まったところは?」だ。ここで「特にありませんでした」と答えると、独学力の評価が下がる。逆に、3つほど詰まった経験と乗り越え方を語れると、未経験でも「自走できそう」という印象に変わる。
ポートフォリオが完成したら、エージェントに添削をもらう
ポートフォリオが完成しても、それを「未経験エンジニア採用の角度で見たらどう映るか」は、自分では分からない。
私自身、ポートフォリオを公開した直後に と の担当者にそれぞれURLを共有して、添削をもらった。指摘内容は、技術的なことよりも「READMEの『なぜ作ったか』が弱い」「機能一覧が長すぎて、コア機能が見えない」のような構造の話だった。
ここを直してから応募を始めた。書類通過率の手応えが変わったのは、ここの差し戻しが効いたからだ、と思っている。
まとめ|「何を作ったか」より「なぜ作ったか」
未経験エンジニアのポートフォリオは、技術の派手さよりも、
- なぜこのテーマを選んだか
- READMEが面接官の3分で意思決定できる構造か
- 詰まったところと乗り越え方を語れるか
の3点で評価が分岐する。
ToDoアプリでも、テーマと語りの作り込み次第で通過する。逆に、技術スタックを盛っても、ストーリーがなければ書類段階で落ちる。
迷っているなら、まず1つ「自分の属性だから気づける課題」をテーマに置いて、READMEとセットで仕上げてからエージェントに見せる流れがいい。
【補足・参照情報源】
本記事は、私(Nakata)と同期2人(再構成・本人特定を避けた事例)のポートフォリオ実例と、私自身の30代未経験I
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よくある質問(FAQ)
Q1. 30代未経験でも本当にITエンジニアに転職できますか?
A. 可能です。私は文系・元営業・手取り18万から3ヶ月60万円のスクール経由で2社内定に到達しました。応募15社/書類8通過/面接5/内定2の現実値で、35歳以下なら「なぜ今ITか」を語れることが境界線になります。
Q2. プログラミングスクール60万円は元が取れますか?
A. 入社1年で年収+150万円を達成し、3ヶ月60万円は7〜8ヶ月で回収しました。経産省リスキリング給付金(最大56万円)の対象スクールを選べば実質負担はさらに下がります。詳細は経産省 人材育成施策の公式ページを参照してください。
Q3. 未経験で学ぶべき言語は?
A. Web系受託を目指すなら JavaScript(HTML/CSS)→ Ruby on Rails か PHP(Laravel)の順が現実的です。経産省「IT人材白書」でも需要シェア的にWeb系言語の求人数が安定しています。最初の1〜2ヶ月は「言語」より「環境構築」と「Git」の壁を越えるのが鍵です。
Q4. 転職活動は何ヶ月くらいかかりますか?
A. 未経験は3〜6ヶ月が現実値です。私は応募開始から内定まで2ヶ月半でしたが、書類で7社落ちる前提のメンタル設計が大事。厚労省 job tag や賃金構造基本統計でジョブ別年収中央値を見ながら期待値を調整してください。
Q5. エージェントは何社使うべきですか?
A. 2社が基準です。1社は大手総合型(リクルートエージェント等)、もう1社はIT特化型(レバテックキャリア・TechGo等)の組み合わせ。多すぎるとスケジュール管理で詰むので、面接管理が破綻しないラインで運用してください。
このセクションは ../00_構造化データテンプレ §3-2 に基づくWP公開用テンプレ。md_to_swell の通常変換ではコードブロックとして表示されるため、WP管理画面で「カスタムHTMLブロック」に手動移行するか、Phase 3 自動化スクリプトで本文末に注入する。
よくある質問
Q: 転職に有利な時期はいつですか?
A: 求人が増える3月・9月(年度末・中間決算期)が一般的に転職活動のベストシーズンです。ただし自分のスキルアップ・タイミングを最優先し、準備が整ったら時期を選ばず動くことも重要です。
Q: 第二新卒(卒業後3年以内)の転職は不利ですか?
A: 不利ではありません。企業は第二新卒に「ポテンシャル」「素直さ」「新しい環境への適応力」を期待しています。厚生労働省の「若年者雇用実態調査」でも第二新卒採用に積極的な企業が増加傾向にあります。
Q: 転職エージェントは無料で使えますか?
A: はい、求職者側は完全無料です。エージェントは転職先企業から紹介料(採用後年収の30〜35%程度)を受け取るビジネスモデルです。リクルートエージェント・doda・マイナビエージェントが大手3社です。
Q: 書類選考の通過率を上げるにはどうすればいいですか?
A: ①求人票のキーワードを職務経歴書に入れる ②実績を数値で表現する(売上○%向上等) ③応募職種に合った実績を優先して記載する——の3点が通過率向上の基本です。
Q: 30代・40代での転職は年収が下がりますか?
A: 必ずしもそうではありません。専門スキル・マネジメント経験がある場合は年収アップの転職も可能です。ただしチャレンジ転職(未経験業界)では一時的な年収低下を覚悟した上での長期戦略が必要です。
転職は単なる「職場の移動」でなく、キャリアの意図的な設計です。厚生労働省の「労働経済白書」では、転職経験者の7〜8割が転職後のキャリアに肯定的な評価をしています。自分の価値観と市場のニーズを照合した戦略的な転職が、長期的なキャリア満足につながります。
転職は単なる「職場の移動」でなく、キャリアの意図的な設計です。厚生労働省の「労働経済白書」では、転職経験者の7〜8割が転職後のキャリアに肯定的な評価をしています。自分の価値観と市場のニーズを照合した戦略的な転職が、長期的なキャリア満足につながります。

